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Magic Creator


by ELECTRICSHEEPs

第二回 MRでないから素直になれる?!

e-Detailingのコンテンツは顧客の知識欲を満たし、楽しませる工夫が必要です。
映画同様、巨額投資が必ずしも比例しない分野であり、まさにクリエィビティが試され、検証する体制が求められます。
しかしあくまで目的は、製品を認知処方させることであり。認知させなければただのサービスなってしまいます。e-Detailingが、単にe-service、e-communication になってないか?
これは当たり前のような話であるが、よく陥りやすい部分です。
今回コンテンツ作成とその検証について紹介します。

コンテンツについて
1.MRでないから素直になれる。
MRの前では、本音を見せていただけないが、e-Detailingは人でない分、逆に、製品情報について素直に見てくれる部分もあるようです。作用機序を動画で提供して「初めて理解できた」と、うれしいような、うれしくないような顧客の反応を多く経験しまた。
これは一番意外な反応でした。

2.謝礼・マイレージは処方に影響しない。
米国、日本の結果として、謝礼・マイレージは処方に影響、開封率も長期的には差が見られませんでした。影響する要素はMRの関与(アドレスの収集とフォロー)およびコンテンツであり、関心のある情報を提供することが重要でした。利益供与は米国においては、高コストを招き、現在FDAの規制対象になってきています。

3.諸行無常の響きあり
e-Detailingのメールからコンテンツへの誘導率は開始時約60%前後、評判がよければ35%前後で安定し、通常は10~15%程度になる。
サードパーティ(謝礼あり)を利用した場合、ほぼ10~15%程度です。
長く同じコンテンツで引っ張ることは難しく、雑誌やTV番組のように定期的にリニューアルが必要で、3月~半年で切り替えてキャンペーン的に展開することが、良いかもしれません。

4.専門情報の難しさ
コンテンツは専門情報でとまず考えますが、これが案外難しいのです。
専門医は領域専門誌を購入していて、海外の専門サイト、大学、学会のサイトも直接見ている上に、領域の興味は細分化されさらに、要求は厳しくなる。
なかなか出席できない海外学会の速報は価値があるが、賞味期間は短くコストも高い専門医師への情報提供は、案外ハードルが高いことを考慮する必要があるでしょう。

5.ストリーミングコンテンツ
顧客は、MRよりも、専門医の話は信用する傾向があり、処方への効果も高い。
専門医の話をコンパクトに聞けるストリーミングは、スピーディかつ安価に作ることが可能です。しかしながら、配信対象も限られている専門性の高い領域で行っています、通常外部委託で製作すると200万~400万円がかかり、とても採算ベースに達しません。費用を40~60万以内に抑える必要があります。

6.フラッシュコンテンツ
アニメーションで製品の特徴をコンパクトに伝えるのに向いています。
これもいかに安く製作することと、よいクリエーターの確保がポイントです。
だらだらと長い内容は敬遠されます。

検証について
e-Detailingの効果を見る指標の一つにこのアクセス数があります。
このカウントを、訪問回数、もしくはディテーリング数に換算する方法が採られることがありますが、これは注意しなければならない点です。事例としては、月間50万人が!しかし実はヒット数であり実態は3000人程度だった。

絵が多くページを1回見ると80ヒットになる構造で、デザインしだいで数字は変わる。
しかも最初の1分以内で半分は逃げていた。つまり、多く回数を見ようが、長時間見ようが、その顧客が結局処方するかどうかで、e-Detailingをコール数だけで評価するのではなく、リーチできた顧客数をベースに評価することをお勧めします。

また、登録数>配信数>開封>誘導>閲覧最初の数秒>最終閲覧>アンケート回答
など、評価ポイントはさまざまであり、アクティブユーザー(注意:定義がさまざま、毎日、週に1回~半年に2回以上など)本当にコンテンツを見た顧客と処方傾向、をベースにプランニングするようにしています。

そして、アウトソーシングする場合でも設計段階で各e-Detailingを比較できるよう社内に、基準を設け、検証できる体制が必要でしょう。
したがって効果を見る意味でもe-Detailingは顧客を特定することが前提となり、できなければ。e-広告と考えています。

あくまで目安であるが、e-Detailingの顧客単価目標を製品別に設定し、広告であれば数十円という単価を想定しています。さらにメッセージの検証には、アンケートが重要であり、特にメッセージの確認は市場調査の専門を交え設計する必要があると感じています。

まとめ
コンテンツのクオリィティは、費用ではなくプロダクトマネジャーのアイデア、監修であるという実感を持っています。いかに綺麗にしようが、謝礼を払おうが、継続し処方するかは、コンテンツ次第でしょう。アンケートも緻密に設計し、メッセージの伝達を自社内で検証し、ビジネスチャンスを高める、MRとの連動も重要でしょう。
そして、なにより顧客が、喜んで見ていただける事が最も重要でしょう。
投資効果を考え安価でよい企画を、次々に提供することが求められる時代になってきています
by ELECTRICSHEEPs | 2006-02-15 03:53 | eBiz